1.調整控除
2.配当控除
3.住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)
4.寄附金税額控除
5.配当割額・株式等譲渡所得割額控除
6.外国税額控除
1.調整控除
 所得税から個人住民税(市民税・県民税)へ税源移譲するにあたって、所得税と市民税・県民税の人的控除額の差により生じる負担増を調整するために設けられた税額控除で、次により算出した金額を所得割から控除します。
○調整控除額の計算方法
・合計課税所得金額が200万円以下の場合
 A、Bのうちいずれか少ない金額 × 5%(市民税3%、県民税2%)
  A 人的控除額の差の合計額
  B 市民税・県民税の合計課税所得金額
・合計課税所得金額が200万円を超える場合
 A、Bのうちいずれか大きい金額 × 5%(市民税3%、県民税2%)
  A 人的控除額の差の合計額 -(合計課税所得金額 - 200万円)
  B 5万円
※合計所得金額が2,500万円を超えるかたは、調整控除の適用はありません。
○合計課税所得金額
合計課税所得金額とは、課税総所得金額、課税退職所得金額および課税山林所得金額の合計額をいい、申告分離課税に係る譲渡所得等は含みません。
○人的控除額の差
人的控除額の差とは、所得税の人的控除額と市民税・県民税の人的控除額の差のことであり、次のとおりです。
【配偶者控除・配偶者特別控除以外の人的控除額の差】
| 人的控除の種類 | 人的控除の差 | 所得税の控除額 | 市民税・県民税の控除額 | |
| 扶養 | 一般扶養 | 5万円 | 33万円 | 38万円 | 
| 特定扶養 | 18万円 | 63万円 | 45万円 | |
| 老人扶養 | 10万円 | 48万円 | 38万円 | |
| 同居老親等 | 13万円 | 58万円 | 45万円 | |
| 障害者 | 普通障害者 | 1万円 | 27万円 | 26万円 | 
| 特別障害者 | 10万円 | 40万円 | 30万円 | |
| 同居特別障害者加算 | 12万円 | 35万円 | 23万円 | |
| 本人 | ひとり親 | (※) | 35万円 | 30万円 | 
| 寡婦 | 1万円 | 27万円 | 26万円 | |
| 勤労学生 | 1万円 | 27万円 | 26万円 | |
| 基礎控除 | 合計所得2,400万円以下 | 5万円 | 48万円 | 43万円 | 
| 合計所得金額2,400万円超2,450万円以下 | 5万円 | 32万円 | 29万円 | |
| 合計所得金額2,450万円超2,500万円以下 | 5万円 | 16万円 | 15万円 | |
| 合計所得金額2,500万円超 | ― | 対象外 | 対象外 | |
※人的控除の差は、旧寡夫該当者1万円、旧寡婦特別該当者5万円、未婚のひとり親のうち父1万円、母5万円となります。
【配偶者控除・配偶者特別控除の人的控除額の差】
| 配偶者の合計所得金額 | 納税義務者本人の合計所得金額 | |||||
| 900万円以下 | 900万円超 950万円以下 | 950万円超 1,000万円以下 | 1,000万円超 | |||
| 配偶者控除 | 48万円 以下 | 配偶者が 70歳未満 | 5万円 | 4万円 | 2万円 | 適用無し | 
| 配偶者が 70歳以上 | 10万円 | 6万円 | 3万円 | |||
| 配偶者 特別控除 | 48万円超 50万円未満 | 5万円 | 4万円 | 2万円 | ||
| 50万円以上 55万円未満 | 3万円 | 2万円 | 1万円 | |||
| 55万円以上 133万円以下 | 0円 | |||||
2.配当控除
 
 株式の配当などの配当所得があり総合課税を選択した場合は、次により算出した金額を所得割額から控除します。
☆配当控除額の計算方法
配当所得 × 配当控除の控除率(下表参照)
| 配当控除の控除率 | ||||
| 課税総所得金額等 | 1,000万円以下の部分に 含まれる配当所得 | 1,000万円超の部分に 含まれる配当所得 | ||
| 種類 | 市民税の 控除率 | 県民税の 控除率 | 市民税の 控除率 | 県民税の 控除率 | 
| 余剰金の配当、利益の配当等 | 1.6% | 1.2% | 0.8% | 0.6% | 
| 特定株式投資信託以外の証券投資信託の 収益の分配(一般外貨建等証券投資信託以外) | 0.8% | 0.6% | 0.4% | 0.3% | 
| 一般外貨建等証券投資信託の収益の分配 | 0.4% | 0.3% | 0.2% | 0.15% | 
○控除適用の対象外
次の配当は、配当控除の適用が受けられません。
- 申告分離課税を選択した上場株式等の配当等
- 外国株式の配当等
- J-REITなどの投資法人から受ける配当
- 特定外貨建証券投資信託の収益分配
- 国内債券、外国債券(利付債)の利息
(補足)上記は一例です。詳しくは支払い等を受けた法人、証券会社にご確認ください。
3.住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
 
 当該年分の所得税の住宅借入金等特別税額控除(以下、住宅ローン控除)の適用を受けた後に控除しきれなかった金額がある場合、次により算出した金額を翌年度の市民税・県民税の所得割額から控除します。
○対象となるかた
 次のすべてに該当するかたが、対象となります。
(1)平成11年~平成18年または平成21年~令和3年12月に住宅の取得等をして入居したかた
(2)前年分の所得税において住宅ローン控除があるかた
(3)所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除があるかた
(補足)平成19年~20年に入居したかたは、所得税で控除しきれなかった額があっても、市民税・県民税の住宅ローン控除の対象になりません。
☆住宅ローン控除の計算方法
A 入居開始年月日が平成11年1月から平成26年3月31日までの場合
次の(1)(2)のいずれか少ない金額が控除額となります。
| (1)所得税の住宅ローン控除可能額のうち、所得税において控除しきれなかった額 | 
(補足)課税総所得金額等の額とは、所得税の課税総所得金額、課税退職所得金額、課税山林所得金額の合計額です。
B 入居開始年月日が平成26年4月1日から令和3年12月までの場合
 入居日が平成26年4月1日から令和3年12月の場合(平成19年~20年入居は除く)で、消費税8%または10%で住宅等を購入した場合は、 次の(1)(2)のいずれか少ない金額が控除額となります。
 なお、消費税8%または10%以外で購入した場合、控除額の算出方法は上記「入居日が平成11年1月から平成26年3月31日までの場合」と同じになります。
| (1)所得税の住宅ローン控除可能額のうち、所得税において控除しきれなかった額 | 
(補足)課税総所得金額等の額とは、所得税の課税総所得金額、課税退職所得金額、課税山林所得金額の合計額です。
○手続きの仕方
(1)1年目(居住を開始し、住宅ローン控除を初めて受ける場合)
那珂市への住宅ローン控除申告書の提出は不要です。確定申告書を申告期限までに太田税務署へ提出し、所得税の住宅ローン控除の適用を受けてください。申告する際の添付書類等は、太田税務署(電話番号:0294-72-2171)にご確認ください。
(2)2年目以降
○年末調整で住宅ローン控除の適用を受けているかた
那珂市への住宅ローン控除申告書の提出は不要です。ただし、市民税・県民税の住宅ローン控除の適用を受けるには、毎年1月頃に勤務先から配布される「給与所得の源泉徴収票」(年末調整で所得税の住宅ローン控除を受けたもの)の(摘要)欄に「住宅借入金等特別控除可能額」と「居住開始年月日」が記載されている必要があります。
○確定申告で住宅ローン控除の適用を申告するかた
那珂市への住宅ローン控除申告書の提出は不要です。ただし、確定申告を行う際、確定申告書第二表の「特例適用条文等」欄に居住開始年月日を必ず記入してください。
(補足)上記のとおり、この制度の適用を受けるために那珂市への住宅ローン控除申告書の提出は原則不要ですが、平成11年から平成18年までに入居されたかたで、山林所得や退職所得がある方、変動所得や臨時所得の平均課税の適用を受けている方は、従来の市民税・県民税の住宅ローン控除申告書を申告期限までに提出することにより、控除額が大きくなる場合があります。詳しくは税務課市民税グループへお問い合わせください。
☆控除適用の対象外
次の場合は、市民税・県民税における住宅ローン控除の適用が受けられません。
- 市民税・県民税が課税にならないかた
- 入居開始年月日が平成19年又は平成20年のかた
- 住宅ローン控除が所得税で全額控除できるかた
- 住宅ローン控除の適用をしなくても所得税のかからないかた
- 市民税・県民税の控除の対象にならない住宅ローン控除等をされたかた
 (1)特定増改築等(バリアフリー改修・省エネ改修工事など)住宅借入金等特別控除(租税特別措置法第41条の3の2)
 (2)住宅耐震改修特別控除(租税特別措置法第41条の19の2)
 (3)住宅特定改修特別税額控除(租税特別措置法第41条の19の3)
 (4)認定長期優良住宅新築等特別税額控除(租税特別措置法第41条の19の4)
☆住宅借入金等特別控除の適用要件の弾力化
消費税率10%が適用される住宅を取得した場合における住宅借入金等特別控除の控除期間が10年間から13年間へ延長となる特例措置は、令和2年12月31日までに入居した場合に限り適用とされていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により入居が遅れた場合は、一定の要件を満たし令和3年12月31日までに入居をすれば、特例措置の対象となります。
※詳細は、下記国土交通省ホームページをご参照ください。
 国土交通省ホームページ「住宅ローン減税の適用要件が弾力化されます!~新型コロナウイルス感染症の影響で期限内に入居できない方へ~」(新しいウィンドウで開きます)
4.寄付金税額控除
都道府県、市区町村や特定の団体などに寄附をした場合、次により算出した金額を所得割額から控除します。
☆寄付金税額控除額の計算方法
| 寄附先 | 控除額 | 
| 都道府県・市区町村 (ふるさと納税) | 次のAとBの合計額(ワンストップ特例該当者はA+B+C) | 
| A:基本控除額 (寄附金額 - 2,000円)× 10%(市民税6%、県民税4%) | |
| B:特例控除額 (寄附金額 - 2,000円)× (※割合1)×(市民税3/5、県民税2/5) | |
| C:申告特例控除額 (Bで算出した額)×(※割合2)×(市民税3/5、県民税2/5) | |
| 茨城県共同募金会 日本赤十字社茨城県支部 | 市民税:(寄附金額 - 2,000円)× 6% 県民税:(寄附金額 - 2,000円)× 4% | 
| 条例で定める法人 | 県民税:(寄附金額 - 2,000円)× 4% 市民税:(寄附金額 - 2,000円)× 6% | 
(補足1)寄附金額とは、実際に寄附した支払金額と総所得金額等の30%のいずれか少ない方の金額です。
(補足2)【B:特例控除額】は、市民税・県民税所得割額(調整控除後の所得割)の20%(平成27年度以前は、10%)が限度となります。
 ただし、分離課税分の所得があるかたは、Bの割合が異なる場合があります。
(補足3)【C:申告特例控除額】は、ワンストップ特例制度該当者に適用される所得税の控除相当額です。
| 割合表 | ||
| 課税総所得金額 - 人的控除差調整額 | ※割合1 | ※割合2 | 
| 195万円 以下 | 84.895% | 84.895分の5.105 | 
| 195万円超 ~ 330万円以下 | 79.790% | 79.79分の10.21 | 
| 330万円超 ~ 695万円以下 | 69.580% | 69.58分の20.42 | 
| 695万円超 ~ 900万円以下 | 66.517% | 66.517分の23.483 | 
| 900万円超 ~ 1,800万円以下 | 56.307% | 56.307分の33.693 | 
| 1,800万円超 ~ 4,000万円以下 | 49.160% | |
| 4,000万円 超 | 44.055% | |
(補足1)課税総所得金額とは、総所得金額から所得控除を差し引いた後の金額です。
(補足2)人的控除差額調整額は、上記「1.調整控除」をご参照ください。
(補足3)茨城県県税条例で指定されている寄附金税額控除の対象となる団体は、茨城県ホームページ「個人県民税の寄附金税額控除の対象寄附金の指定について」(新しいウィンドウで開きます) をご参照ください。
☆手続きの仕方
対象団体や法人などにお支払いしたことを証明する書類(領収書等)の原本を、申告の際に申告書に添付してください。
○ふるさと納税ワンストップ特例制度(平成27年4月1日以後の寄付金から適用)
 平成27年4月1日から「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されました。
 この制度を利用することにより、所得税の確定申告や市民税・県民税の申告の必要がない給与所得者などが、市区町村や都道府県にふるさと納税をした場合、申告をしなくても寄附金税額控除を受けられるようになりました。
 この特例が適用されると、所得税からは寄附金控除をせず、ふるさと納税を行った翌年度の市民税・県民税から所得税の寄附金控除分相当額を含めて控除されます。
○イベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した者への寄付金税額控除の適用
 新型コロナウイルス感染症およびその蔓延防止のための措置により、中止等となったイベントのチケット等を購入していたが、その払戻しを受けることを辞退した場合に、当該辞退した金額のうち20万円までの金額について寄附金税額控除の対象となります。
 なお、対象となるイベントは、茨城県県税条例で定められたものとなります(文部科学大臣により指定を受けた指定行事と同じです)。
※文部科学大臣による指定を受けたイベントおよび主催者の一覧については、下記文化庁及およびスポーツ庁のホームページをご参照ください。
文化庁ホームページ「チケットを払い戻さず「寄附」することにより、税優遇を受けられる制度」
スポーツ庁ホームページ「チケットの払戻請求権の放棄を寄附金控除の対象とする税制改正」
5.配当割額控除・株式等譲渡所得割額控除
 上場法人から受け取る上場株式等の配当等や、証券会社等から受け取る上場株式等の譲渡益について、支払の際に配当割や株式等譲渡所得割を課された場合、その課された額に下表の割合を乗じた金額を所得割額から控除します。
 所得割額から控除することができなかった金額は均等割額に充当し、充当しきれなかった金額は還付となる場合があります。
(補足)特定上場株式等の配当所得や譲渡所得(源泉徴収がある特定口座)について、市民税・県民税申告で申告不要制度を選択された場合、配当割額控除・株式等譲渡所得割額控除は適用されません。また、納税通知書が送達されるまでに申告しなかった場合についても適用されません。
○配当割額控除額・株式等譲渡所得割額控除額の控除割合
配当割額または株式等譲渡所得割額 × 各控除割合(下表参照)
| 控除割合 | |
| 市民税 | 県民税 | 
| 3/5 | 2/5 | 
6.外国税額控除
 納税義務者が外国にその源泉がある所得について、その国の法令によって所得税や住民税に相当する税が課された場合は、その所得に対してさらに日本においても所得税や住民税が課されて、国際間の二重課税となります。これを調整するために、外国で課された所得税の額を控除限度額の範囲内において控除します。
☆外国税額控除額の計算方法
所得税において外国税額控除が行われた場合に、所得税で控除しきれないときは
1 まず県民税の所得割の額から一定の金額を限度として控除し、
2 さらに控除しきれない額があるときは、市民税の所得割の額から一定の金額を限度として控除します。
| 区分 | 控除限度額の計算方法 | 
| 所得税控除限度額(A) | その年分の所得税の額 × その年分の国外所得総額 ÷ その年分の所得総額 | 
| 県民税控除限度額 | (A)× 12% | 
| 市民税控除限度額 | (A)× 18% |