
■所在地:那珂市額田南郷464
■所有・管理者:鈴木とし子
■指定区分:県指定
■指定年月日:昭和47年12月18日
■種類:建造物
鈴木家は、水戸藩時代庄屋を務め、徳川光圀の娘を嫁に迎えたほどの旧家であり、光圀が西山荘への往復途中立ち寄り、その宿泊にも用いたとされる書院がある。書院は主屋などとは別に離れ座敷として建っていて、貞享4年(1687年)光圀が宿泊するために建てられたと伝えられる。
屋根は寄棟造・茅葺で、木舞裏には化粧垂木を用い、3面に拭い板の槫縁を巡らす。縁の板は奥の間の前が特に古い。内部は8畳2室で、敷居の真下、縁板との間に切目長押に釘隠しの金具を打ち、竿縁天井を張る。ただし、江戸後期の数寄屋造りの座敷と違って、面皮付きの内法長押や竿縁に多少野性味があり、建築年代の古さが感じ取れる。両室境には格式ある笈欄間を入れ、奥の間背面には右側に床の間と左側に押入を並べ、脇に平書院を設ける。書院の流水に浮かぶ花をあしらった板欄間は注目される。