<主な給付について>
後期高齢者医療制度では、医療サービスの提供(現物給付)と療養費の支給(現金給付)を行います。
◆療養の給付について
被保険者が、病気や怪我により保険医療機関にかかったとき、被保険者証を提示すれば療養の給付を受けることができます。費用として、かかった医療費の自己負担額(原則1割、現役並み所得者は3割)を窓口で支払い 、残りの額を広域連合が保険医療機関に支払います。
※ 負担割合は、毎年8月頃に行う定期的な判定及び世帯構成の変更等に伴う場合の判定により変わります。
◆入院時食事療養費について
被保険者が入院したとき、食費にかかる費用のうち標準負担額(所得区分ごとに設定されます)を除いた額を広域連合が負担します。
低所得者II、低所得者Iに該当するかたは、市に申請して「限度額適用・標準負担額減額認定証」 の交付を受けてください。「限度額適用・標準負担額減額認定証」を保険医療機関の窓口で提示していただくことで、食事代が軽減され、下表の額になります。
《食事療養標準負担額》
区 分 | 食事療養標準負担額 | ||
1 | 現役並み所得者・一般 | 1食につき460円 | |
2 | 【低所得者II】 | 過去1年の入院日数が90日以下 |
1食につき210円 |
過去1年の入院日数が90日超 | 1食につき160円 | ||
3 | 【低所得者I】 | 1食につき100円 |
※指定難病患者(現役並み所得者及び一般)のかたは一食当たり260円になります。
《一般に該当するかた》
・現役並み所得者、低所得者II及びI以外のかた》
《低所得者IIに該当するかた》
・世帯員全員が住民税非課税であるかた
《低所得者Iに該当するかた》
・世帯員全員が住民税非課税であるかたのうち、世帯全員が損益通算、純損失・雑損失の繰越控除適用後の各所得金額が全て0円のかた(公的年金の場合は80万円以下)及び老齢福祉年金受給者
◆入院時生活療養費について
被保険者が療養病床に入院したとき、食費と居住費にかかる費用のうち標準負担額 (所得区分ごとに設定されます)を除いた額を広域連合が負担します。
低所得者II、低所得者Iに該当するかたは、市に申請して「限度額適用・標準負担額減額認定証」 の交付を受けてください。「限度額適用・標準負担額減額認定証」を保険医療機関の窓口で提示していただくことで、 食費と居住費が減額され、下表の額になります。
《生活療養標準負担額》
入院医療の必要性の高い者以外の患者の場合
区 分 | 生活療養標準負担額 | ||
1 | 一般 | 入院時生活療養(I)を算定する保険 医療機関に入院しているかた |
食 費:1食につき460円 |
居住費:1日につき370円 | |||
入院時生活療養(II)を算定する保険 医療機関に入院しているかた |
食 費:1食につき420円 | ||
居住費:1日につき370円 | |||
2 | 【低所得者II】 | 食 費:1食につき210円 | |
居住費:1日につき370円 | |||
3 | 【低所得者I】 | 老齢福祉年金受給者以外のかた | 食 費:1食につき130円 |
居住費:1日につき370円 | |||
4 | 老齢福祉年金受給者 | 食 費:1食につき100円 | |
居住費:1日につき0円 |
《療養病床とは?》
・主として長期にわたり療養を必要とするかたのための病床のことです。
《入院時生活療養(I)を算定する保険医療機関とは》
・厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方社会保険事務局に届出 のある医療機関のことをいいます。
《入院時生活療養(II)を算定する保険医療機関とは》
・入院時生活療養(I)を算定する保険医療機関以外の保健医療機関をいいます。
◆療養費について
次のような場合で医療費の全額を支払ったとき、申請により支払った費用の一部の払い戻しが受けられます。
・やむをえず被保険者証を持たずに診療を受けたとき
・医師の指示により、コルセットなどの補装具をつくったとき
・医師が必要と認める、はり師、灸師、あんまマッサージ指圧師の施術を受けたとき(後期高齢者医療を取り扱う接骨院等で施術を受けた場合は、被保険者証を提示することにより、一部負担金を支払うだけで済みます)
・骨折や捻挫等で柔道整復師の施術を受けたとき
・海外に渡航中、治療を受けたとき(治療が目的で渡航した場合は支給されません。)
▼手続き方法
《申請場所》
市保険課窓口
《市町村へ申請する際に必要な書類等》
下表一覧のとおり
療養費種類 | 申請に必要な書類 |
やむをえず被保険者証をもたずに診療をうけたとき | ・診療内容証明書又は診療報酬明細書と同様の内容がわかる書類 ・領収書 ・被保険者証 ・口座の確認ができるもの |
医師の指示により、コルセット等の補装具を作ったとき | ・補装具を必要とする意見書(診断書)、証明書 ・領収書 ・被保険者証 ・口座の確認ができるもの |
医師が必要と認めるはり、灸、あんま、マッサージの施術を受けたとき(代理受領以外) | ・施術料金領収書 ・医師の同意書 ・被保険者証 ・口座の確認ができるもの |
骨折や捻挫等で柔道整復師の施 術を受けたとき(受領委任以外) |
・施術料金領収書 ・被保険者証 ・口座の確認ができるもの |
海外に渡航中、治療を受けたとき(治療が目的で渡航した場合は支給されません) | ・診療内容明細書 ・領収明細書 ・翻訳文 ・被保険者証 ・口座の確認ができるもの |
◆高額療養費について
同じ月の中で、医療機関に支払った医療費の自己負担額を合算して、自己負担額限度額(下表)を超えた部分について支給します。
《算定基準額》
所得区分 (注1) |
自己負担限度額 |
|
外来(個人単位) | 外来+入院(世帯単位) | |
現役並み所得者III (課税所得690万円以上) |
252,600円+(医療費ー842,000円)×1% <多数回 140,100円(注2)> |
|
現役並み所得者II (課税所得380万円以上) |
167,400円+(医療費ー558,000円)×1% <多数回 93,000円(注2)> |
|
現役並み所得者I (課税所得145万円以上) |
80,100円+(医療費-267,000円)×1% <多数回 44,400円(注2)> |
|
一般 |
18,000円 (年間上限144,000円) |
57,600円 <多数回44,400円(注2)> |
低所得者II | 8,000円 | 24,600円 |
低所得者I | 8,000円 | 15,000円 |
(注1)所得区分について
・現役並み所得者は、同一世帯に住民税課税所得が145万円以上の後期高齢者医療を受けるかたがいるかた。ただし、後期高齢者医療で医療を受けるかたの収入合計が、2人以上で520万円未満、1人で383万円未満であると後期高齢者医療制度担当窓口へ申請した場合は、「一般」の区分と同様になります。
・一般は、現役並み所得者、低所得II、低所得I以外のかた
・低所得者IIは、世帯全員が住民税非課税のかた(低所得者I以外のかた)
・低所得者Iは、世帯全員が住民税非課税で、その世帯の各所得が必要経費・控除(年金の所得は控除額を80万円として計算)を差し引いたときに0円となるかた
(注2)直近の12か月間で3月(回)以上、自己負担限度額を超えたときは、4月(回)目から自己負担限度額がさらに引き下げられます。
※ 公費負担医療が行われる療養にかかる高額療養費については、所得による区分はありません。
※ 特定疾病については、自己負担限度額は、10,000円となります。
同一世帯に他の後期高齢者医療制度の被保険者がいない収入383万円以上の被保険者(同一世帯に70歳から74歳の方がいるかた)で同一の世帯にいる70歳から74歳のかたも含めた収入が520万円未満のかたは、月の自己負担限度額を一般に据え置きます。
※ 低所得I・IIのかたは、入院の際に「限度額適用・標準負担額減額認定証」が必要となります。
◆高額介護合算療養費について
医療保険と介護保険の給付を受けた場合、1年間に支払った自己負担額(所得区分ごとに設定されます)を合算して自己負担限度額(下表)を超えた部分を1年間に1回、広域連合が支給します。
《算定基準額》
後期高齢者医療制度+介護保険の限度額 | |
現役並みIII (課税所得690万円以上) |
212万円 |
現役並みII (課税所得380万円以上) |
141万円 |
現役並みI (課税所得145万円以上) |
67万円 |
一般 | 56万円 |
低所得者II | 31万円 |
低所得者I | 19万円 |
◆その他の給付(葬祭費)について
被保険者が亡くなったとき、葬祭を行ったかたに対して葬祭費が支給されます。
葬祭費 50,000円
◆その他
《交通事故にあったとき》
交通事故など、第三者(加害者)から障害を受けた場合でも、届出により後期高齢者医療制度で治療を受けることができます。
この場合、広域連合が治療費を立て替え、あとで加害者に費用を請求することになります。
※ 示談は慎重に!
先に加害者から治療費を受け取ったり、示談を済ませてしまうと、後期高齢者医療制度で治療を受けられなくなることがありますのでご注意ください。
※ 必ず届出を!
後期高齢者医療制度で治療を受けるときは、「第三者行為による被害届」を必ず提出してください。警察の交通事故証明書なども必要になります。
※ 自分の過失や業務上で怪我をした場合も、市の後期高齢者医療担当窓口(保険課)に相談してください。
◆給付が受けられないとき
保険証を持っていても、保険診療が受けられない場合や制限される場合があります。
《保険診療とならないもの》
保険のきかない診療(差額ベッド代・人間ドック・健康診断・予防注射・美容整形・歯列矯正等)
《その他》
・被保険者が自己の故意の犯罪が原因で病気や怪我をしたとき
・被保険者が、けんか、泥酔などが原因で病気や怪我をしたとき
・被保険者が、監獄等に拘禁されたとき
・業務上の怪我や病気は、労災保険が適用されるか、労働基準法に従って雇主の負担となります。
※ 労災保険等の適用となるケースで、後期高齢者医療制度を使って診療してしまった場合、速やかにお住まいの市町村の後期高齢者医療制度担当窓口へ届け出てください。
また、労災保険の手続きについては、所管の労働基準監督署にお問い合わせください。