帯状疱疹とは
帯状疱疹は子どもの頃にかかった水痘(水ぼうそう)ウイルスが再活動することにより発症する
子どもの頃にかかった水痘(水ぼうそう)が治った後も、ウイルスは死んでしまったのではなく、長い間体の中の神経節に潜り込んでいます。このウイルスが、病気などで免疫力が低下したときや疲れたとき、あるいは加齢により再び活動を始め、帯状疱疹として発症することがあります。
帯状疱疹の主な自覚症状
〇身体の左右のどちらかにピリピリチクチクした痛みがある
〇痛い部分が帯状に赤くなり、やがて水ぶくれになりひどく痛む
帯状疱疹の痛みや水ぶくれは神経に沿って、それも身体の左右どちらかに帯のように現れます。
はじめはピリピリチクチクした痛みから始まり、しばらくするとその部分が赤くなり、やがて水ぶくれになって神経痛のような激しい痛みをともないます。
一番多いのは肋間(ろっかん)神経のある胸から背中にかけてです。顔面にある三叉(さんさ)神経に沿って現れる場合は、失明や顔面神経麻痺をともなうこともあるので特に注意が必要です。この他、下腹部、腕、足、おしりの下などにも現れます。
痛みが始まってから水ぶくれが治るまでの間は、約1か月程度です。痛みは水ぶくれが治るころには消えますが、治った後も長期間にわたってしつこく痛むことがあります。これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれ、高齢者に多いものです。
帯状疱疹の予防
日ごろから栄養と睡眠を十分にとれる生活を
身体の免疫力が低下した時が要注意です。完全に帯状疱疹を予防する方法はありませんが、日ごろから栄養と睡眠を十分にとり、適度に運動を行うなど、心身の健康に気を配り免疫力を低下させないことが最も大切です。
帯状疱疹ワクチンの予防接種
50歳以上のかたは、ワクチンを接種することによって、帯状疱疹の発症を抑えたり、重症化を防ぐことができます。
帯状疱疹ワクチンは現在個人の判断にて接種を行う「任意接種」のため、接種を希望される場合、接種費用は自己負担となります。(市の費用助成はありません)
ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。それぞれ接種回数や費用が異なりますので、詳しくはワクチン接種を行う医療機関へお問い合わせください。
ワクチンは100%発症を防ぐものではありません。予防接種による効果や副反応などについて理解したうえで、接種を検討しましょう。
帯状疱疹の治療
帯状疱疹を疑う症状に気づいたら、できるだけ初期に治療をしましょう
帯状疱疹後神経痛は、ウイルスによって神経が破壊されることが原因と考えられており、早く治療を開始したほうが帯状疱疹後神経痛の進行を予防することができます。
帯状疱疹の治療は、原因療法として抗ウイルス剤、対症療法として消炎鎮痛剤が処方されるのが一般的です。また、帯状疱疹後神経痛の痛みがひどい場合は、神経ブロックを行って痛みを止める治療法が有効といわれています。
帯状疱疹にかかった際の注意点
帯状疱疹は、身体の抵抗力が低下したことにより発症するため、食事や睡眠をしっかりとり、できるだけ安静を心がけ体力の消耗を避けましょう。
周りに「水痘(みずぼうそう)」としてうつさないように気を付けましょう。
水ぶくれが乾燥してかさぶたになるまでは、水ぶくれにウイルスが含まれているため、水痘(水ぼうそう)にかかったことのないかたや水痘予防接種を受けたことのないかたにうつると発症する可能性があります。
水ぶくれがある間は、水ぶくれを破らない、手指消毒、マスク着用、お風呂は最後にシャワー浴で入るなど周りのかたへの感染予防を心がけましょう。
特に新生児や、水痘(みずぼうそう)にかかったことのない妊婦さんなどは、感染すると重症化する場合がありますので、接触を避けるようにしましょう。