夏にかかりやすい感染症
- 夏かぜ(手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱(プール熱))
- ダニ媒介感染症(つつが虫病・日本紅斑熱・重症熱性血小板減少症候群(SFTS))
- 蚊媒介感染症(日本脳炎・デング熱)
- 食中毒(腸管出血性大腸菌感染症)
夏かぜ
手足口病
口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。
- 潜伏期間
3日から5日間 - 症状
口の中、手のひら、足底や足背(足の甲)などに2mmから3mmの水疱を伴う複数の発疹が出ます。発熱は約3分の1のかたにみられますが、38度以下のことがほとんどです。
※症状が消失した後2週間から4週間は、便からウイルスが排泄され、感染させるおそれがあります。 - 治療法
対症療法
・刺激にならないよう柔らかめで薄味の食べ物をとるようにしましょう。
・水分不足にならないように注意しましょう。
※高熱、吐き気、頭痛の強いときなどは、早めに医療機関に相談してください。 - 予防法
・うがい、手洗い(流水と石けんで十分に行う)をしましょう。
・タオルの共用は避けましょう。 - 参考情報
手足口病(厚生労働省ホームページ「わかりやすい感染症Q&A」より)
手足口病とは(国立健康危機管理研究機構ホームページへ)
ヘルパンギーナ
発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。
- 潜伏期間
2日から4日間 - 症状
突然の発熱、咽頭痛などを伴って発症します。
咽頭には赤い発疹がみられ、次に小水疱となり、破れ、潰瘍となり痛みを伴います。 - 治療法
対症療法
・発熱や頭痛などに対して、アセトアミノフェンなどを用いることもあります。
・刺激にならないよう柔らかめで薄味の食べ物をとるようにしましょう。
・水分不足にならないように注意しましょう。 - 予防法
・感染者との密接な接触は避けましょう。
・うがい、手洗い(流水と石けんで十分に行う)をしましょう。
・タオルの共用は避けましょう。 - 参考情報
ヘルパンギーナ(厚生労働省ホームページ「わかりやすい感染症Q&A」より)
ヘルパンギーナとは(国立健康危機管理研究機構ホームページへ)
咽頭結膜熱(プール熱)
発熱、咽頭炎、眼症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症です。
- 潜伏期間
5日から7日間 - 症状
発熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎による咽頭痛、結膜炎に伴う結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂がみられます。
※生後14日以内の新生児が感染した場合は全身性感染を起こしやすいとされています。 - 治療法
対症療法
※吐き気、頭痛の強いとき、せきが激しいときは早めに医療機関に相談してください。 - 予防法
・感染者との密接な接触は避けましょう。
・うがい、手洗い(流水と石けんで十分に行う)をしましょう。
・タオルの共用は避けましょう。 - 参考情報
咽頭結膜熱(プール熱)(厚生労働省ホームページ「わかりやすい感染症Q&A」より)
咽頭結膜熱とは(国立健康危機管理研究機構ホームページへ)
ダニ媒介感染症
ダニ媒介感染症とは、病原体を保有するダニに刺されることによって起こる感染症のことです。
ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、刺された人が病気を発症することがあります。
つつが虫病
- 潜伏期間
5日から14日間 - 症状
全身の倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などを伴って発症します。
体温は段階的に上昇し、数日で40℃にも達することがあります。 - 治療法
抗菌薬の投与 - 予防法
・ダニ忌避剤を使用しましょう。
・ダニの吸着を防ぐような服装をしましょう。
・林や草むらに立ち入ったあとは、入浴し、よく身体を洗いましょう。 - 参考情報
つつが虫病(厚生労働省ホームページ「わかりやすい感染症Q&A」より)
ツツガムシ病とは(国立健康危機管理研究機構ホームページへ)
日本紅斑熱
- 潜伏期間
2日から8日間 - 症状
頭痛、発熱、全身の倦怠感を伴って発症します。 - 治療法
抗菌薬の投与 - 予防法
・ダニ忌避剤を使用しましょう。
・ダニの吸着を防ぐような服装をしましょう。
・林や草むらに立ち入ったあとは、入浴し、よく身体を洗いましょう。 - 参考情報
日本紅斑熱とは(国立健康危機管理研究機構ホームページへ)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- 潜伏期間
6日から14日間 - 症状
発熱、全身の倦怠感、消化器症状で、重症化すると命に危険が及ぶこともあります。 - 治療法
対症療法 - 予防法
・ダニ忌避剤を使用しましょう。
・ダニの吸着を防ぐような服装をしましょう。
・林や草むらに立ち入ったあとは、入浴し、よく身体を洗いましょう。 - 参考情報
国内外における重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発生状況について(国立健康危機管理機構ホームページへ)
マダニ対策、今できること(国立健康危機管理研究機構ホームページへ)
蚊媒介感染症
蚊媒介感染症とは、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症のことです。
日本においては日本脳炎以外の蚊媒介感染症は海外からの輸入感染症としてみられていますが、デング熱に関しては2014年に国内感染例が報告されました。
日本脳炎
- 潜伏期間
6日から16日間 - 症状
突然の発熱、頭痛、嘔吐などを伴って発症し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気です。 - 治療法
対症療法 - 予防法
・予防接種
・虫よけ剤を使用しましょう。
・出かけるときは肌の露出が少ない服装にしましょう。 - 参考情報
日本脳炎とは(国立健康危機管理研究機構ホームページへ)
デング熱
- 潜伏期間
2日から4日間(多くは、3日から7日間) - 症状
急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔吐などの症状を伴います。 - 治療法
対症療法 - 予防法
・虫よけ剤を使用しましょう。
・出かけるときは肌の露出が少ない服装にしましょう。 - 参考情報
デング熱に関するQ&A(厚生労働省ホームページへ)
デング熱とは(国立健康危機管理研究機構ホームページへ)
食中毒
初夏から初秋は腸管出血性大腸菌多発期として、十分注意が必要な時期です。
代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」等が知られています。
腸管出血性大腸菌感染症
- 潜伏期間
3日から8日間 - 症状
頻回の水様便で発病し、さらに激しい腹痛を伴い、まもなく著しい血便となることがあります。
発熱はあっても、多くは一過性です。 - 治療法
・安静にし、水分を補給し、消化しやすい食事を摂りましょう。
・菌を体外に排出するために、下痢止めや痛み止めの薬の使用は控えましょう。 - 予防法
・生肉又は加熱不十分な食肉を食べないようにしましょう。
・手洗い(流水と石けんで十分に行う)をしましょう。 - 参考情報
腸管出血性大腸菌感染症(O157)(厚生労働省ホームページ「わかりやすい感染症Q&Z」より)