石綿セメント(アスベスト)管は、経済的であることから、昭和40年~50年代に全国的に使用されました。
那珂市においても、一部の水道管に石綿セメント管が使用されています。
しかし、衝撃に弱く、老朽化に伴い漏水の大きな原因となっています。
市では、年次計画に基づき水道管の布設更新を実施しています。
なお、石綿セメント管を通った水道水は健康に影響は無いとされています。
以下、「WHO飲料水水質ガイドライン第4版(日本語版)」(国立保健医療科学院 2012年発行)に掲載されたアスベストに関する記事を抜粋しましたので、参考としてください。
「アスベストは、アスベストを含む鉱物や鉱石が水に溶けることによって、あるいは、工場排水、大気汚染および配水システムのアスベストセメント管からの混入によって水中にもたらされる。アスベストセメント管からのアスベスト繊維の剥離は、水の腐食性と関連がある。データが限られているが、シャワーや加湿器を使用する際の給水栓水中から空中に飛散するアスベストへの曝露量は、無視できることが示されている。
アスベストは、吸入経路によるヒトへの発がん物質であることがわかっている。しかし、高濃度のアスベストを含む飲料水の供給を受けている集団を対象に、入念な疫学検査が行われてきたにもかかわらず、経口摂取されたアスベストが発がん性を有するという有力な証拠はほとんどない。また、実験動物による広範な研究においても、アスベストが一貫して消化管腫瘍の発生を増加させているということはない。したがって、摂取されたアスベストが健康に有害であるという一貫した証拠がないため、飲料水中のアスベストに関して健康に基づくガイドライン値を設定する必要はないと結論づけられた。アスベスト粉塵のリスクは吸入のリスクであるため、アスベストセメント管の主要な問題は、管の周囲で働く(例えば、管の切断など)人々に対するものである。」