政府では、「ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年6月2日閣議決定)において、仕事と介護の両立が可能な働き方の普及を促進することとしていますが、総務省の「就業構造基本調査」(平成29年)によると、家族の介護・看護を理由とする離職者が約9万9千人存在しており、仕事と介護の両立のための環境整備が引き続き重要な課題となっております。
このような中、厚生労働省では、ホームページに「仕事と介護の両立」のページを設け、法令や支援制度、パンフレット等を紹介しているところです。
ここでは、それらの内容のうち、介護休業制度等の概要についてお知らせします。
介護休業制度等の概要
仕事を辞めることなく、働きながら要介護状態(※1)の家族(※2)の介護等をするために、以下の育児・介護休業法に基づく制度が利用できます。勤務先に制度がない場合でも、法に基づいて制度を利用できます(所定労働時間短縮等の措置を除く)。
※1 要介護状態とは?
介護保険制度の要介護状態区分が要介護2以上である場合のほか、介護保険制度の要介護認定を受けていない場合であっても、2週間以上の期間にわたり介護が必要な状態のときには対象になります。
※2 家族とは?
配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹及び孫
制度 | 概要 |
介護休業 | 要介護状態にある対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割して休業を取得することができます 有期契約労働者も要件を満たせば取得できます |
介護休暇 | 通院の付き添い、介護サービスが必要な手続きなどを行うために、年5日(対象家族が2人以上の場合は年10日)まで1日又は半日単位で介護休暇を取得することができます |
所定外労働の制限 (残業免除) |
介護が終了するまで、残業を免除することができます |
時間外労働の制限 | 介護が終了するまで、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働を制限することができます |
深夜業の制限 | 介護が終了するまで、午後10時から午前5時までの労働を制限することができます |
所定労働時間短縮等の措置 | 事業主は、利用開始の日から3年以上の期間で、2回以上利用可能な次のいずれかの措置を講じなければなりません ・短時間勤務制度 ・フレックスタイム制度 ・時差出勤の制度 ・介護費用の助成措置 ※労働者は、措置された制度を利用することができます |
不利益取扱いの禁止 | 介護休業などの制度の申出や取得を理由とした解雇など不利益な取扱いを禁止しています |
ハラスメント防止措置 | 上司・同僚からの介護休業等を理由とする嫌がらせ等を防止する措置を講じることを事業主に義務付けています |
※詳細は、厚生労働省ホームページ「仕事と介護の両立」をご覧ください。
介護休業中の経済的支援
雇用保険の被保険者が、要介護状態にある家族を介護するために介護休業を取得した場合、一定要件を満たせば、介護休業期間中に休業開始時賃金月額の67%の介護休業給付金が支給されます。詳細は、最寄りのハローワークにお尋ねください。