学校部活動から地域での活動へ
学校の部活動は、スポーツ・文化芸術等に親しむ機会を確保し、自主的・主体的な活動を通じて責任感や連帯感を養うなど、教育課程外としつつ学校教育の一環として実施されてきましたが、少子化による生徒数の減少や部活動へのニーズの多様化、教員の働き方改革などにより、これまでと同様の形で部活動を継続していくことが困難な状況となってきています。
本市でも、学校での活動から地域への活動へ移行を推進していきますが、種目等により団体の確保や合意形成、条件整備等でばらつきが想定されることから、準備が整った部活動から、休日の活動の地域移行を進めます。
学校での部活動が困難となっている背景
〇少子化による生徒数の減少
・部員の減少により、大会やコンクール等への出場が困難に
・部活動の精選（部活動数の見直し）により、選択肢が減る可能性
・将来的に、学校単位での部活動が限界
○部活動へのニーズの多様化
・「強くなりたい」、「楽しみたい」、「いろいろな活動がしたい」等、生徒のさまざまなニーズへ対応
○教員の働き方改革
・休日の部活動の対応による教員の時間外勤務の増加
・競技の経験や知識がない顧問教員の負担の軽減
国の取り組み
スポーツ庁及び文化庁では、部活動の地域移行に関する検討会議の提言を踏まえ、令和4年12月に「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を策定しました。
学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン（外部サイトへリンク）
県の取り組み
県教育委員会では、生徒の持続可能なスポーツ・文化芸術活動環境を整備するため、地域移行を推進するための地域クラブ設立の方法や手順とともに、地域クラブ活動の運営にあたっての留意事項を示したガイドラインを策定するなど、地域移行を推進しています。
市の取り組み
1 基本的な考え方
〇これまで部活動として行われてきたスポーツ・文化芸術活動に、将来にわたり子どもたちが親しむことができる機会を確保します。
〇本市の地域資源を有効に活用しながら地域クラブ活動の形を確立し、地域が持続的に子どもたちを支えていく環境を実現します。
〇単に学校から部活動を切り離すことではなく、地域全体でスポーツ・文化芸術活動に親しめる社会の実現を目指し、環境の整備や機運の醸成を図ります。
〇教職員の意思に基づき、学校部活動や地域クラブ活動を指導できる体制も含めた教職員の働き方改革を推進します。
2 取り組みの状況
・本市の部活動の地域移行を進めるため、スポーツ・文化芸術団体、学校、保護者、市教育委員会等の代表者による「那珂市部活動地域移行推進協議会」を令和6年7月に設立しました。
令和6年度第1回那珂市部活動地域移行推進協議会資料 [PDF形式／2.75MB]
・スポーツ庁及び文化庁が策定した「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」や県が策定した「茨城県地域クラブ活動ガイドライン」を踏まえ、本市の部活動の地域移行推進の基本となる「那珂市部活動地域移行推進計画」を策定しました。
3 取り組みのロードマップ
令和6年度の国補助を受けたモデル部活動による実証事業を通して、成果や課題など検証を行い、令和7年度以降休日の活動の地域移行につなげます。その他の部活動については、モデル部活動の取組状況を参考に準備を進めますが、移行時期は一律に適用することなく、弾力的に取り組み、令和9年度に休日の活動の完全地域移行を目指します。
4 令和6年度のモデル事業
(1) 概要：中学校部活動の休日の地域移行について、本市にあった取組となるよう軟式野球部において試行し検証します。
(2) 実施団体：那珂市軟式野球教室（NBFJ）
(3) 対象：中学生（市外からも参加可）
(4) 期間：令和6年9月1日から令和7年2月28日まで
※モデル事業としては上記期間となります
(5) 活動日：休日（土曜日、日曜日）の週1回、活動時間は1日当たり3時間
※準備、片付け、移動時間は除きます。活動時間等については、「那珂市部活動の運営指針」に従って行います。
(6) 活動場所：なかLuckyFM公園（那珂総合公園）野球場・多目的広場、那珂市立第三中学校グラウンド ほか
(7) 参加方法：那珂市軟式野球教室（NBFJ）に申し込みます。
(8) 会費：月額：3,000円、スポーツ保険代：1,000円（年度内1回入会時）
(9) 交通：活動場所までの往復については、各自対応となります。
(10) その他：
・学校での部活動は、練習試合等を除いて休日の活動は行いません。
・事業の成果や課題等については、生徒や保護者へのアンケート、実施団体や学校等へのヒアリングなどを実施し、検証していきます。
