小林さん_01

いぃ那珂暮らしの人々 vol.24

お店を開きたい二人の夢が出合った。

 

「いつかは自分の店を持つんだ」。神林さん(写真右)はその想いを胸に、調理学校を出てイタリアンレストランなどで10年ほど修行していたそうです。が、実現の難しさを感じて転職し、事務の仕事をする日々を送っていました。これでいいのかなと自問しながら。「やっぱり諦められなくて。いろいろ模索して、ある時創業セミナーに参加したんです。そこで馬場さん(写真左)と出会って。馬場さんも何か店を始めたいらしく、いろいろ話していくうちに意気投合しました(笑)」

 

馬場さんは結婚を機に那珂市で暮らし始め、ずっと看護師をしていました。ある時ご自身が病気になり手術したことをきっかけに今後の生き方を考え、もともと料理やおもてなしが好きだったこともあり、店を持つ夢が芽生えていったと言います。「何か自分の好きなことでお店を始められたら、おばあちゃんになっても一生仕事ができると思っていました。そうしてセミナーで出会って二人でいろいろ話していくうちに想いが固まって、ヒロちゃん(神林さん)の夢に乗っかることにしたんです」

 

それから二人は埼玉県にある「菜七色」という農家レストランで月に一度の間借り営業をするという事前練習をしながら開業に向けて準備。馬場さんの生活拠点の那珂市でちょうどいい居抜きの物件が見つかり、2021年10月に店をオープンします。

いぃ那珂暮らしの人々 vol.24  旬菜CAFE ふ輪り FOOD

那珂市の農家さんの野菜に感動。

店の方向性は決まった。

 

「旬菜CAFE」にすると決めたのは、茨城が野菜の宝庫で、那珂市には素晴らしい野菜をつくる農家さんがたくさんいると知ったから。神林さんは振り返ります。「市の方々には起業の相談にいろいろ親身に応えていただき、そこで農家の綿引農園さんや会沢留美さんを紹介いただきました。お二人の畑を訪ね味見させてもらったんですが、もうトマトなんか本当に旨味が凄くて!甘さのあるトマトは食べたことがありますが、ここまで旨味を感じるものは中々ありません」

 

そうして那珂市の農家さんから仕入れた旬の野菜をふんだんに使い、神林さんはランチのパスタとピッツァ、ディナーの料理を、馬場さんは前菜とドルチェを作っています。取材チームもランチをいただきましたが、まずサラダプレートに驚き。フリルアイスやグリーンスパン、ブラックローズといったあまり目にしないレタスのサラダに加え、コリンキーのマリネと、色とりどりのピクルスが付いた小鉢も。もうサラダだけで嬉しくなってしまいます。そう伝えると、馬場さんは「お客さまもよく“わぁー、すごい!”って言ってくださって。会沢さんがいろんな珍しい種類の野菜を育てていらっしゃるので、まずサラダから楽しんでもらえます」と微笑んでいました。

 

次にいただいたのはフレッシュトマトたっぷりのピッツァ。神林さんが惚れ込んだ理由がよくわかる、素材の旨味を堪能できる一皿でした。そして神林さん、このスープは? 「それは、那珂市地域おこし協力隊のヤスさんが主催した起業家向けの寺子屋で焼き芋屋さんと知り合いになったんですが、その方からいただいたさつまいものポタージュです。素材の甘さだけで砂糖は使ってないんですよ。そうした起業セミナーではたくさんの仲間ができて、私たちの開業準備もいろいろ手伝ってくれたんです。もう、感謝する人がたくさんいます」

みんなが気軽に集まる場にしていきたい。

 

自分たちを応援してくれる人たちと、「本当に美味しかったです」と声をかけてくれる多くのお客さま。そうした人々の思いを支えに、お二人は腕をふるい笑顔でおもてなしをする日々。夢が叶いましたね、神林さん、馬場さん。感想はいかがですか?

 

「始まったばかりで軌道に乗せていくのはまだまだ大変ですが、以前の会社員の頃のようなストレスは全くなくて。働いている時間はちょっと長くなりましたけど、気持ちが楽しんでいるのでぜんぜん!」そう語る神林さんに、馬場さんも同意見。「やりたいことをやれているので、本当に楽しく過ごせています」

 

これからどんなお店にしていきたいのでしょう。お二人の構想は?

「店の隣が中庭になっているんですが、春になったらそこで屋台みたいなものを作って夏祭りみたいな雰囲気のスペースにしたいですね。馬場さんがかき氷を作りたいみたいで、もう機械を買ってあるんですよ」「そうそう。あと秋冬はピザ釜を入れて、温まりながらお茶したり食べたりできたらいいな」「それもいいよね。あとは体験型のイベント。音楽とかクラフト講座みたいなイベントに使えるようにしたり。そう、これまで関わっていただいた方全員でバーベキューもしたいです!」とお二人の夢はまだまだこれから。

 

店名「ふ輪り」は、ふんわりとやわらかい時間が流れるように、そしてたくさんの人たちで“輪”をつくりたいと願い、二人で決めた名前。ここでどんな輪が広がっていくのか、これからが楽しみです。

旬菜CAFE ふ輪り

 

那珂市堤664-7 1F

TEL.080-6987-1984

 

https://www.instagram.com/fuwari1673

 

平日11:00-18:00/金土日11:00-20:00/水曜定休