
いぃ那珂暮らしの人々 vol.28
移住して実感。
空も、家も、仕事の可能性も広い。
小野瀬 佳照さん
- 2024 年に江東区から移住
- フリーランスのSNS 動画ディレクター

リモートワークでいいなら
東京にいなくてもいい。
小野瀬佳照さんの職業は、企業や自治体、個人のSNSの運用を代行するフリーランスのディレクター。YouTubeやTikTok、Instagramなどで配信する動画の企画から撮影、編集を手がけています。都内で会社員として働いていた頃に副業でこの仕事をはじめたところ、世の中の需要も多く好調な流れからある太い繋がりが生まれ、これを契機に独立することを決意。フリーとして新たな道を歩み出しました。
「もともと江東区で生まれ育ち、門前仲町で暮らしていました。副業は主に家やカフェでしていたので、フリーになってからもそのスタイルは同じで。でも、ある時ふと思ったんです。リモートで仕事が完結できるなら、なにも東京にいなくたっていいんじゃないかと。その頃、母が実家の那珂市にUターンしており、いっしょに戻ることを勧められていました。那珂市には幼い頃、祖父母の家に何度も遊びに行っていたので、そこで暮らす選択も考えなくはなかったんですが、まだその時は踏み切れなくて」
それからしばらく経ったある日のこと、いっしょに暮らしていたパートナーと将来について話していた時、こう言われたそうです。「結婚して子どもを育てるなら、自然が豊かなところで暮らしたいね」と。その言葉で小野瀬さんは、むかし自分が那珂市に遊びに行った頃のこと、緑にあふれた中で無邪気に遊んでいた時の記憶が浮かんだそうです。そこからの行動は早かったそうで、ご結婚され、那珂市に気に入った住まいを見つけることができ、2024年に移住しました。

住まいの広さは2倍に、家賃は半分に。
長年住んでいた東京を離れ、新生活を始められた小野瀬さん、こちらでの暮らしはいかがですか?
「自分としてはこれが理想だと思っていて。とても満足しています。都会の喧騒には慣れていましたが、それがここにはないんですよね。もう満員電車に乗らなくていいし、どこに行っても人混みに揉まれることもない。今まできっと自分では気づいていないところでストレスに感じていたことが多かったのだと思います。ここでは空が今までより広く感じられて落ち着きます。心も身体もラクになりましたね」
仕事はその日の気分で好きなカフェに行き、リラックスしながらすることもありますが、家でじっくり集中して取り組むことが多いという小野瀬さん。その居住環境にもたいへん満足されているそうです。
「以前二人で住んでいた門前仲町のマンションは26m2の1DKでしたが、今は58m2の2LDKです。引っ越して2倍の広さになって、家賃は駐車場込みで半分ですよ! 固定費がこんなに少なくていいなら、どれだけゆとりができるか。仕事がリモートでできるんだから、もっと早くこっちに来ていればよかったと思っています(笑)。」
新生活になってから、もともとデザインや写真、映像の技量に優れた奥様もフリーランスとして活動をスタート。それぞれ好みのインテリアにした部屋で、小野瀬さんもこれまで以上に集中して仕事に取り組んでいるそうです。時には奥様にデザインを依頼するなど、お二人で取り組むケースもあるといいます。

広がる新たな仕事の可能性を楽しみに。
心にゆとりが生まれたことで仕事に熱が入ったからか、最近新たなオファーが増え始めているという小野瀬さん。
「まったくいい好循環ですね。新たな生活の基盤も心も整っているから、いいアウトプットが出せているのかもしれません。おかげさまで依然東京からの仕事は多いのですが、まだ移住したばかりなので茨城での繋がりがないんですよ。だから、こうして商工会(2階)にあるコワーキングスペースにたまに来て仕事をすることもあります。ここは誰でも自由に利用でき、さまざまな業種や職種の人たちと交流できますから、チャンスだと思って来るようにしています。もし地域の企業やお店のかたで、商品やブランドの発信、広報活動、顧客とのコミュニケーションなどでお悩みなら、ぜひお話を伺えればと思っています」
那珂市には、まだ広く外に知られていない企業やお店、素敵な産品など、いぃものはたくさんある。ポテンシャルはあるのに、いい発信ができていないのではと、小野瀬さんは見ています。「自分の得意なことで、地元の人たちの産業や暮らしに少しでも貢献することができたら。今はそんな思いで地域のものを見るようにし、どんな出会いも大切にしようと思っています」
