暮らしのそばに“いぃ那珂キャスト”

vol.10

自然を感じながら
家族のつながりをより深いものに。

  • 「ざきキャンプ企画」代表
  • 家族や地域での自然体験・キャンプなどを企画

小松﨑 翔太さん

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爽やかな秋晴れの土曜日、静峰ふるさと公園には子どもを連れて遊びに来るファミリーがたくさん。 管理棟からグラウンドゴルフ場へ向かう斜面を登る途中で、なにやら数組のファミリーがしゃがんで黙々 と作業をしているのが見えました。聞こえてくるのは電動ドリルの音と、まわりに明るく話しかけてい る一人の男性の声。「穴は好きなように開けちゃって自由に作ろう! あ、ドリルはね、こっちの細めの 方が開けやすいヨ」。

ここで行われていたのは、竹ランタン作りのワークショップ。夕方に開催される静峰ナイトシネマに 関連するイベントで、那珂市地域おこし協力隊の八子結奈さんの呼びかけにより「ざきキャンプ企画」 の小松﨑 翔太さんが参加し、インストラクターを務めていたのでした。

小松﨑さんは2023 年春から、那珂市で家族や地域、学校などに向けたキャンプ、自然体験活動などの イベント企画の仕事を始めました。これまでネイチャーゲームやアウトドアクエストなどの「外遊び」や、 茨城県植物園などでの「デイキャンプ」、一家揃って音楽やパフォーマンスなどを発表する「野外フェス」 などさまざまなプランを企画。家族みんなで自然に親しめることとあって、特に小・中学生のお子さん のいるファミリーに好評のようです。「ざきキャンプ企画」の代表、小松﨑さんにお話を伺いました。

 

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 小松﨑さんはどうしてこの仕事を始められたのでしょうか? なんでも以前は茨城県内で小・中学校の先生をされていたそうですね。

 「そうなんです。もともとキャンプ場で働きたいという夢があって。でも大学を卒業していきなりとい うわけにはいかず、まず社会経験を積んでからにしようと。人と接することや子どもが好きなので教師になりました。それも10 年間だけと決めて。退職してからは那珂市へ移住し、今年からようやくこの道 を歩み始めたというわけです」

 できればどこかのキャンプ場で勤めたかったそうですが、就職活動が実らず。ならば、自分で事業を 立ち上げようと、2023年那珂市で「ざきキャンプ企画」をスタートさせました。と、ここで気づいたことが。小松﨑さんの名刺を見ると、その肩書きが“ファミリーキャンプインストラクター” となっています。ふつうのキャンプインストラクターではなく、“ファミリー” と付けたのは?

「キャンプの楽しさや自然の素晴らしさを感じてもらうのはもちろんなんですが、一番感じてほしいのは、参加する自分たち家族のあたたかさだったり、つながりの深さなんです。これは私が小学生の時の思い出なんですが、親によくキャンプ場へ連れて行ってもらって。木々が生い茂り小川が流れる手付かずの自然のなかでのんびり家族で過ごすんです。日常とは異なる生活環境に身を置くと、いつものペースや勝手が違ってくるからか両親がモメだしたり。そういうのを見ているのが面白くて、なんだかあったかくて。ふだんの余りあるモノがない自然の中だから、非日常の場所だからこそ、みんなで何か取り組む時にあらためて家族のつながりっていうものが感じられたりするんですよね。そのことを、家族をもつみなさんにも感じてもらいたい。その思いでこの仕事をしています」

 


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近頃はキャンプ人気が高まっています。家庭をもち、子どもをキャンプに連れて行きたいけれど、自身にその経験がない、自信がないという親御さんもいるのではないでしょうか。そんなときは小松﨑さんの出番です。ビギナーの家族を対象に県内のキャンプ場などで事前の準備からテント設営、薪割り、火おこしなどのキャンプワークをレクチャーしてくれます。近場では那珂市内の茨城県植物園で日帰りのプランもあるとか。

「先日もキャンプ初心者という親御さんがご家族でデイキャンプに参加されたのですが、ペグの向きとか一つひとつに驚いて感動されていました。それをお子さんに教えているのを見ていると嬉しくなりますね。これでこのファミリーも今度キャンプデビューをして、自然の中でその一家らしいあたたかさをみんなで感じて、その時間がお子さんたちの思い出になっていくんだな、と。私はそんな橋渡しができればいいと思っています」

 

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小松﨑さんのテーマは家族。といっても、ひとつの世帯だけを指すのではなく、地域や同じ団体の仲間、学校などもひとつの“家族” と考え、さまざまな体験プランを企画されています。

「市内のある地区の子ども会でバードコールを作ったり、小学校で草木染めのワークショップを開催したり。自然のものに触れながら、親子や仲間でいっしょにものづくりをするんです。それぞれの個性によって自分だけのものが生まれ、自分で作り上げた達成感を味わう。それをみんなで体験し共有する場も私が提供していきたいことのひとつです」

那珂市に暮らしはじめて起業し、地域の一員として「自分が社会に何を提供できるか、どう貢献していくか」を考えながら、家族や人とのつながりの大切さを気づかせてくれる小松﨑さん。今後もさまざまな構想を練っているそうで、いぃ那珂暮らしの“大家族” はこれからもっと賑やかになっていきそうです。

ざきキャンプ企画

茨城県那珂市菅谷3343-11
TEL. 080-5840-8252
https://zakicampkikaku.com/