移住体験ツアーレポート

2023.3.15-16開催NEW

若者向け移住・就業促進バスツアー

 「働く場所は都市部より地方や生まれ育った地元がいい」「将来は地域づくりに貢献する仕事をしてみたい」そんな若者の意欲に応えるべく、那珂市では学生や若い人たちを対象にした移住・就業促進バスツアーを開催しています。
 今回、一泊二日のツアーに参加したのは大学生11名。茨城県内をはじめ関東、遠くは広島県、大分県からはるばるツアーに参加してくれました。大学1、2年の学生が大半で、みなさん就職活動を見据えいち早く行動し、地域づくりのさまざまな現場を実際に見てみたいという想いでやって来たのでした。

<行程>
●1日目:3月15日(水)
10:30
水戸市集合
11:00
「いぃ那珂オフィス」でガイダンス
12:00
「おとと屋」でランチ
13:45
「ふれあいファーム芳野」を見学、買い物
14:30
「松井建設」の採石所を見学
16:00
「静峰ふるさと公園」を見学
17:00
「木内酒造」を見学、買い物

18:30  「水戸プリンスホテル」到着



●2日目:3月16日(木)
09:00
ホテル出発
09:30
「いぃ那珂オフィス」で地域おこし協力隊と交流
12:00
「綿引農園」を見学
13:45
「旬菜CAFÉふ輪り」ランチ
14:30
那珂市役所でワークショップ
17:00
水戸駅到着

ようこそ那珂市へ!初めましてのガイダンス 

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 ツアー初日、まずは那珂市がどんなところなのかをご紹介するガイダンスからスタート。いぃ具合に田舎暮らしができる「いぃ那珂暮らし」のまちとして移住先に選ばれているさまざまなポイントをお伝えしました。県内から参加し、那珂市のことはなんとなくは知っていたというかたからは「思ったよりも店が多く、交通の便もいい」「生活しやすそう」などの声が聞かれました。

農産物直売所「ふれあいファーム芳野」で那珂市の農産物や加工品をチェック

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 ガイダンスでもご紹介したのは、那珂市は農畜産物の宝庫だということ。名産のかぼちゃをはじめ、あらゆる野菜がとれ、地域の生産者がその魅力を発信しようと直売所「ふれあいファーム芳野」に並べるほか、マルシェなどのイベントを開催していることをご紹介。みなさんいろんな商品を見て回り、「種類が豊富」「野菜が美味しそう」と、お土産に買っていく姿が見られました。

荒野のシーンや爆破のロケに使われる採石場を見学

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 次に一行を乗せたバスは市北部の山林を抜け、広大な敷地の採石場へ。「どうしてこんなところに!?」そんな疑問を抱きながら降り立ったのは、那珂市瓜連に本社を構える株式会社松井建設が土木工事に使用する砂利や砂を生産するところ。約18ヘクタールの広大な敷地と、まるで荒野のような景観、そして住宅地から離れていることから、爆破のシーンも撮影できるロケ地として映画やドラマ製作に利用されています。荒涼とした原野のようなこの場所を、松井祐一郎社長が“北関東のアリゾナ”と称するのもみなさん納得の様子。同社は暮らしの基盤となる道路や上下水道など土木工事事業もメインとしながら、地域社会に貢献するさまざま取り組みにも注力。さらにサイドビジネスとしてロケサポ―ト事業もしていることは、地域の資産を有効に活用する好例として紹介されました。

賑わいあふれる場を目指す「静峰ふるさと公園」を散策

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 那珂市の魅力あるスポットとして紹介されたのは静峰ふるさと公園。シーズンには約2000本の八重桜が咲き乱れ「日本さくら名所100選」に選ばれたところ。まだ桜は咲いていませんでしたが、暖かい春の風に吹かれ、みなさん木々を見上げ満開の姿を想像しながら散策を楽しんでいました。桜の季節以外にも賑わいあふれる公園にすべく、那珂市地域おこし協力隊がさまざまな集客イベントを企画・実施していることを紹介。明日、ツアー2日目のプログラムでその協力隊にいろいろ話を聞けることをみなさん楽しみにしていました。

地域とともに歩み、名産を発信する「木内酒造」を見学

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 茨城県から日本を代表するビールがあると聞いて訪れたのは木内酒造株式会社。200年の歴史をもつ造り酒屋が地元の生産物を生かし、日本酒だけでなくクラフトビールやウイスキーなどを製造。地域とともに歩み、那珂市から生まれた商品が世界にも認められていることにみなさん驚かれていました。

2日目は、地域おこし協力隊との交流からスタート

地方創生や地域課題を解決する仕事に興味があるみなさんにとって、地域おこし協力隊はお手本となる存在。交流会では地域おこし協力隊としてパークビジネス活性化プロジェクトを担当する八子結奈さんと、コミュニティマネージャー育成プロジェクトを担当する支倉泰司さんに登場いただき、みなさんからの質問にお答えいただきました。

学生バスツアー3

 八子さんの仕事に興味を持ったかたからは「イベント集客の企画はどのようにして考えているのか?」「地域の人と関わる時はどんなことを心がけているのか?」などの質問が多数寄せられました。八子さんがこれまでの経験を振り返り一つひとつ具体例を交え、立案のしかたや取り組む姿勢などを伝えると、これまでの机上では知り得なかったことに出会えたようで、みなさん熱心にメモをとっていました。

学生バスツアー

 支倉さんにまず向けられたのは「なぜ那珂市にやってきたのか?」との質問。支倉さんは都内の飲食店の経営者でありながら那珂市で活動していることを伝えると、みなさん驚きの様子。コロナ禍でも人員を減らすことなく自分が外に出ればいいという考えで那珂市へ移住し、これまで培った経営の経験を地域づくりに活かすことを決断されました。会社を経営しつつ、いわば出稼ぎのような感覚で地域貢献をする。そんな働きかたができるのも地域おこし協力隊ならでは。そのコメントが目から鱗だったようで、多くのかたが頷いていました。

農業ビジネスの可能性を日々探求する「綿引農園」へ

学生バスツアー2

 続いてやってきたのは、トマトやアスパラガスなどの野菜が市内外で評判の株式会社綿引農園。代表の綿引桂太さんに、野菜づくりをはじめ那珂市の農業ビジネスの可能性について語っていただきました。また、地域おこし協力隊として新規就農を目指し、この農園で実地研修をする兵藤一輝さんも交え、地域にある資源・資産をいかに輝かせ、地域ブランドとしてどう発信していくかについてみなさんに紹介していました。

ランチで地域の野菜の魅力をたっぷり味わう 

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 お昼ごはんは、「旬菜ふ輪り」へ。ここは綿引農園をはじめ市内の生産者が育てた野菜を使った料理が楽しめるお店。先ほどビニールハウスで見たトマトなどの野菜がどう活かされているか、みなさんイタリアンのランチをじっくり味わって確認していました。

「那珂市の魅力と移住について」のワークショップ

 最後は那珂市役所へ。この2日間で感じたことをふまえ、那珂市の魅力と移住についてのワークショップが行われました。参加者はABC3つのグループに分かれ、「A.那珂市で暮らす魅力」「B.那珂市の移住者を増やす」「C.那珂市の新しいブランド」をテーマにディスカッション。それぞれ自分自身の目線と那珂市の目線で、気づいたことやアイディアを付箋に書き出し、意見を出し合いました。

学生バスツアー4

いよいよ発表。グループAからは、那珂市自慢のひまわりを既存の畑だけでなく市内の道路の植栽にする意見が。地域に住まう人々の心も和み、観光にもひと役買うのではという提案でした。さらに、那珂市の人々は人を思いやる温かさがあることから、例えば地域の大人が子どもたちに学校では教えないような講座を開くというアイディアも。地域ぐるみで子どもたちに接したり見守る取り組みをすることで、子育て世代の移住者を呼び込めるのではという意見が出されました。

学生バスツアー5

 グループBも那珂市の人の温かさを特徴として挙げ、名産の野菜と絡めて、例えば観光で市外から直売所にやってくる人に農家さんが野菜の育てかたやオススメの料理法などをレクチャーしてはという提案が出されました。
 グループCは一年を通して那珂市をPRする提案。春の静峰ふるさと公園の桜だけではなく、夏はひまわり畑を一望できる展望台を作ったり、観光客が宿泊できるグランピング施設をつくるなど。秋は名産のかぼちゃでハロウィンイベントを開催してかぼちゃのお土産を渡したり、冬は白鳥の飛来をこれまで以上にアピールし、池のそばで朝市を開くといった提案が出されました。

 発表を聞いていた那珂市の担当者は「時間がない中で那珂市の強みをよく見つけていただきました。学生ならではの斬新なアイディアもたくさんあったので、ぜひ今後の参考にさせていただきたい。」と語っていました。

 参加した学生からは、「実際に地域に根ざした企業を見て、話を聞くことができたのは貴重な体験。興味のある分野を勉強できて良かった」「地元にはない外部の視点で地域づくりに参加する地域おこし協力隊の存在を知り、興味深い話を聞けた」「農業に興味があるので、生産者に実際に話を聞くことができて大変参考になった」「今までやってきたどのワークショップよりも活気があり、自分では思いつかない意見ばかりでとても勉強になった」など、満足度の高い声が続々。さらに全員が那珂市への興味が湧いたと回答いただけました。
 今回のツアーが、地方創生や地域づくりなどみなさんの希望する道へ進むきっかけとなれたらこれほど嬉しいことはありません。今後も、地域に目を向ける若者たちの夢を那珂市は応援していきます。

集合写真1

2023.3.15-16開催 若者向け移住・就業促進バスツアー
[主催]那珂市 政策企画課
[企画]株式会社えぽっく
[協力]アーストラベル水戸株式会社