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いぃ那珂暮らしの人々 vol.23

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いつでも、のびのび思いっきり遊ぶ。

 

市の中心部から西へ車で10分ほど。田畑が広がるのどかな芳野地区に小林さんの住まいはあります。一家が那珂市で暮らし始めたのは2020年のこと。ご主人の教弘さんは、実は那珂市の出身で大学進学の際にこの地を離れ栃木へ、そして埼玉で就職し暮らしていましたが、長男であることからそろそろ実家に戻ろうと転勤の希望を叶えUターン移住されました。

 

「こちらに両親もいますし、敷地に余裕がありましたので祖父母の家だったスペースに家を新築することにしました。以前埼玉ではアパートだったので、こうして広々と暮らせるのはやはりゆとりがあっていいですね」と語る教弘さん。敷地には田畑があり、野菜を育てることに興味があった奥さまにとっては理想の環境だったようです。「それに、」と奥さまが続けます。

 

「ここでは子どもたちがいつでも好きな時に思いっきり庭遊びできるのがいいですね。引っ越してきてとても楽しいみたいです。私も埼玉のわりとのどかな環境で育ってきたので、ここでのゆったりとした暮らしも自然と馴染めました」

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野菜も米も、自分たちが農作業をした

思い出と一緒に味わう。

 

敷地には古井戸や納屋、天神様をまつる小さな祠もあり、昔ながらの農村部の暮らしといった雰囲気。小林さん宅とご両親の家の前の通路を奥に進んでいくと畑があります。その先は屋敷森で、カラスウリがぽつんと色づいているのを横目にさらに進むと、広大な田んぼが現れました。いぃ田舎の田園風景がワンセットになっている、それが小林さん家の庭です。

 

取材に訪れたのは11月末。畑にはどっしりとした白菜や大根、他にもネギやほうれん草などがたくさん。ほっかむりをして農作業をしていたおばあちゃんが笑顔で出迎え、畑をいろいろ案内してくれたのでした。

 

農作業は教弘さんのご両親が中心となり、小林さんご夫妻も週末など空いた時間に作業しているそうです。教弘さん、お子さんたちも畑仕事はするんでしょうか?

「ええ、ちょこちょこ手伝ってくれますよ。作物は家族で食べる用に育てていて、子どもたちは自分たちが多少なりとも農作業に関わり、野菜やお米がこうしてできるんだと感じた上で味わっている。なかなかいい経験になっているんじゃないかと思います」

 

奥さまも同感の様子で頷いています。「土いじりなんて以前は全くしたことがありませんでした。田んぼでは泥だらけになって、半分遊びながら手伝っていますけど、そうした体験が日常的にできるのも田舎暮らしならではだと思います」とにこやかに語っていました。

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自分が自然に触れてきた体験を

子どもたちにもさせてあげたい。

 

新生活を始められ、教弘さんにはひとつ大きな楽しみができたと言います。「昔から海釣りが好きでして。以前は埼玉だったので海まではちょっと遠かったのですが、ここなら那珂湊まで30分ほどで行けるのが嬉しいですね」。そうしてお父さんが魚釣りをしている間、お母さんと子どもたちは近くに張ったテントで遊ぶ。最近始めたキャンプは、いま家族のお気に入りのレジャーだそうです。

 

知り合いがいる福島にも近くなったことで、季節になれば桃狩り、さくらんぼ狩りをしに行く。癒しを求めスパリゾートハワイアンズに寄っていく。遠出をするにも那珂市は高速道路にアクセスしやすいという利点をお二人で挙げていました。

 

「近場でも、静峰ふるさと公園や植物園など、市内には緑に触れる場所がたくさんあるのがいいですね」とは奥さまのコメント。夏になったら、まだ訪れていない清水洞の上公園へ子どもたちを連れてホタルを見に行くのをとても楽しみにしているそうです。

 

移住して自然に親しむ機会が増えたこと。それが子育てをしていく上で、一番よかったポイントだとご夫妻は振り返ります。教弘さんは子どもの頃、この辺りの野山を駆け回って虫をとったり、沼や川を探検したりして遊んでいたそうです。「自分がしてきた自然の中で遊ぶ体験を、子どもたちにも味わってもらって、いろんなことを感じてもらえたらと思っています。あの頃肌で感じていた自然は、ここにちゃんと残っているんですから」

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