暮らしのそばに“いぃ那珂キャスト”
Vol.7
地域を盛り上げる力を
みんなでつないでいく。
- 地域ボランティア
瓜連地区まちづくり委員会のみなさん
2021年12月11日、土曜日。気持ちよく晴れ渡ったこの日、静峰ふるさと公園は午前も早くから家族連れで賑わっていました。それも、入り口のアプローチのところで。道に敷かれたシートには子ども服がズラリと並び、ママたちがあれこれと手に取り、子どもたちもお気に入りの服を探しています。
このイベントは「あおぞらクローゼット」。子どもが大きくなってもう着られなくなった服を“おさがり”にして、次の子どもたちにつなげていくイベントです。暮らしの中の「捨てる」を減らすために那珂市地域おこし協力隊の八子結奈さんが企画したもので、今回で3回目の開催となりました。八子さんは「あおぞらクローゼット」だけでなく、静峰ふるさと公園を盛り上げるさまざまなイベントや観光プロモーションなど精力的に活動しており、運営の人手が要る時はこの公園がある地域の方々に声をかけているそうです。この日も瓜連地区まちづくり委員会の方々と、そのお知り合いのお母さん方、地域振興を学ぶ大学生もお手伝いに参加していました。
お話を伺ったのは、瓜連地区まちづくり委員会メンバーの井坂朝香さん(左)、仲條ゆう子さん (中左)、栗田純子さん(中右)と、常磐大学3年生の小野寺舞衣さん(右)です。
--かなりの盛況ぶりでしたが、服はどれくらい集まっていたんですか?
仲條さん:1,000着以上ですよ。今回で3回目となりますが、これまでに6,000着を超える服が「あおぞらクローゼット」に並び、多くの子どもたちの手に渡っていきました。
井坂さん:SDGsの考えが浸透しているのでしょうか、服を捨てずに提供する人も、こうしてやって来る人も毎回たくさん。
栗田さん:那珂市の方だけでなく、水戸や高萩から来たという方も以前いましたね。“もったいない”という想いがちゃんと貰い手に伝わっていく。そういう心がもっと広がるようになればいいと思います。
仲條さん:子どもはすぐ大きくなるんだから、“おさがり”で充分。服はいちいち買うと高いし、こうしてちゃんと使えるものを使ってもらえる仕組みは地域の暮らしに必要なんだと思います。
井坂さん:私たちの世代は“もったいない”と思うのが普通でしたから。最初八子さんから話を聞いた時、すぐにみんなで手伝おうと決めましたね。
栗田さん:私たち委員会だけでなく、近所の知り合いにも地域活動に積極的に協力してくれる人がいるので、今回も声をかけて集まってもらいました。こうして学生さんにも来てもらえて、若い人たちと一緒に動くと運営も活性化されていいですね。
小野寺さん:私も実際にみなさんと一緒に地域のためになる活動に参加して、とても勉強になるところが多かったです。
--「あおぞらクローゼット」に来場されたみなさんからはどんな反応がありましたか?
仲條さん:「ありがとうございます」って、たくさんの方から声をかけられるのが本当に嬉しくて。中にはリピーターで来ている方もいて、「いつも助かってます」って言ってました。
井坂さん:そういえば今日、小さい女の子を連れたママが、その子よりも小さい服を選んでいて。よく見たらそのママ、お腹が少し大きいの。「お腹にいるこの子のために」って選んでいたみたいですよ。
--服を受け取った人たちの声が、ボランティアとして活動されるみなさんの励みになりますね。
栗田さん:そうですね。それに、今回は八子さんがメッセージボードを用意しました。ハート型のカードに、参加されたみなさんが、服を出してくれた方へお礼のメッセージを書くものです。「誰かの愛情を受け取って大切にします」「2、3着のつもりがたくさん頂いてしまいました。本当に助かります。次回はゆずる方にも参加したいです」とか。
仲條さん:あのメッセージボードは次回、服の回収の際に掲示していきます。そうして服を受け取った方の感謝の心が、服を提供する方の心に届いていく。服を通していろんな方の心をつなぐお手伝いができることに私たちはやりがいと喜びを感じています。
井坂さん:八子さんの企画もこうして回を重ねるごとにバージョンアップしてますよね。だから私たちも、これまでの経験やお母さん目線でもっとこうしたらとか、イベントをよりよくしていけるようにサポートしていきたいですね。
--みなさんは、瓜連地区まちづくり委員会としての仕事をしながら、こうしたイベントもお手伝いする。地域に貢献したいという想いが強いんですね。
仲條さん:私はここで生まれ育ち、ずっとここで暮らしてきましたから。まわりのみなさんが地域活動に参加される方も多いので、それぞれ自分が貢献できるところをやろうという想いはありますね。
井坂さん:何かやる時も誰かに声をかけたり、逆に声をかけられたり。みんなでお手伝いしようという風に自然となっています。好きなんでしょうね、みんなで何かやってみようという想いが。
小野寺さん:そういう地域の一人ひとりの力が自然に合わさるって素敵ですね。私も将来は那珂市の職員になりたいと思っているので、こうしてみなさんと一緒に地域の暮らしを活性化するお仕事をしてみたいです。
栗田さん:「あおぞらクローゼット」もそうですけど、地域を活性化したり、暮らしをよりよくする活動にこれからもずっと取り組んでいきたいですね。
瓜連地区まちづくり委員会
瓜連地区交流センター
那珂市古徳371(総合センターらぽーる内)
TEL.029-296-1134
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那珂市地域おこし協力隊 八子結奈さんの活動はこちら
https://www.instagram.com/yakononakagurashi/http://www001.upp.so-net.ne.jp/nfk/