暮らしのそばに“いぃ那珂キャスト”

Vol.3

地域の賑わいをつくり、
地域を盛りあげる若者を育てていく。

  • 地域ボランティア
  • “一日限定の商店街” を企画・運営

一般社団法人カミスガプロジェクト

駅前のようす

水戸からJR水郡線で15分ほど進むと、常陸太田方面と常陸大宮方面への分岐点となる上菅谷駅がある。この駅前に“一日限定の商店街”が年に5回出現し、のどかな駅前の風景は激変する。ふだん上菅谷駅の一日の利用客は800人程度だが、イベント時は多い日で1万8000人が来場したという。この限定商店街「ガヤガヤ☆カミスガ」を企画・運営する一般社団法人カミスガプロジェクトの代表理事を務める小林大輔さんに話を伺った。

小林大輔さん

「ガヤガヤ☆カミスガ」はこれまで40回以上も開催し、那珂市でも注目される定期イベントだそうですね。どのようにして始まったのでしょう?

「きっかけは、2011年の東日本大震災です。ここ茨城でもかなりの被害を受けて、家も店もめちゃくちゃになってしまったところがある。世間では“復興” と叫ばれていましたが、マイナスからゼロにして復活を遂げていくというより、これを機に駅前に新しく賑わう場をつくっていこうと。この団体の発起人で前任の理事長の菊池一俊さんが“新興”を合言葉に、それにまわりの人たちがどんどん反応して、私も立ち上げ当初から関わっていきました」

イベント開催に携わるスタッフは全員がボランティアの有志で80人ほどが所属。それも那珂市民だけでなく、この取り組みに賛同した他市・他県からの人たちも多いとか。

「みんな、地域の力になりたい、貢献したいという思いで参加してくれている。誰かが指示して動くというのではなく、みんな自主的に行動しているんです。例えば次回はいつに開催すると決まったら、それぞれが自分で決めた役割をこなしていくんです。告知をする人、協賛企業を集める人、ボランティアに参加する学生を集める人といった具合に。ふだんはそれぞれの仕事があって、中には組織で偉いポジションにいる人もいますが、ここでは年齢や立場の上下はありません。みんなそれぞれが協力しあって楽しみながら、会の成功を目指して取り組んでいます」

ボランティアで参加しているスタッフ

地域グルメをピーアールするお店が多く、美味しそうな匂いがいろいろ漂っていますね。縁日にあるようなゲームのお店、各地域の物産店、いろんな自社商品・サービスを紹介するお店など、実に多彩なお店が並んでいます。これだけ賑わうイベントになると想像していましたか?

「おかげさまで、ちょっと想像以上です。現在、出展企業は 80ほどですが、管理や場所のことも考えると100くらいが限界かと。出展希望は増え続け、市外・県外からの参加希望も多いのですが、キホンは那珂市内の店・企業を優先するようにしています。地域の多くの参加者の方からは、自分たちの商売の幅が広がりいい宣伝につながっていると好評いただいています」

スタッフの集合写真

このあたりの地域の方々の反応はいかがでしょうか?

「最初、立ち上げた時は、新しいことを始めることに対して渋い意見もありましたが、人がたくさん訪れるようになったことで、地域に住む人たちも楽しみにしてくれるようになりました。特に若い人たちに来てもらえるのがうれしいですね。現在、周辺地域の学校にボランティアとして参加することを呼びかけていますが、来場したことがあるのか、自分も運営側としてボランティア体験をして社会勉強をしてみようというコが増えています。地域のことを考える。地域のために何かやってみたい。そんな行動のきっかけになれることが、うれしいですね。那珂市を盛りあげていく後継者を、これからどんどん育てていきたいと思っています」

一般社団法人カミスガプロジェクト

茨城県那珂市瓜連1243
TEL.029-229-0845
https://kamisuga.org/